私たちの研究

RESERCH

植物化学とケミカルバイオロジー

我々の研究の特色は、植物を題材としたケミカルバイオロジーを進めている点にあります。合成した化合物の効果を“目に見える形”で捉えられることは、植物ケミカルバイオロジーの大きな魅力です。遺伝学的手法で見えてきた生命現象に対し、同じ作用、さらには遺伝学では起こせない作用をもたらす化合物を探索し、植物の生命機能の解明と、植物研究・農業への応用を目指します。

— MAIN RESEARCH THEME 01–03

主要研究テーマの3ブロック

植物を題材としたケミカルバイオロジーを基盤に、合成した化合物の効果を“目に見える形”で捉えながら生命機能を解析します。遺伝学的手法で見えてきた現象に対し、同等の作用、さらには遺伝学では起こせない作用をもたらす化合物を探索し、分子機構の解明と植物研究・農業への応用を目指します。

THEME 01

化合物を用いた植物の生殖制御

植物科学における課題の一つは、交配に要する労力と時間です。特に果樹など木本植物では、開花までの幼若期間が長く、基礎研究から育種までの速度を制約します。私たちは研究開発の段階でのみ化合物を投与して生殖・開花プロセスを制御し、遺伝子操作に依存せずに研究や品種開発を加速する手法の確立を目指します。気候変動に適応した植物の作出にもつながる重要な基盤研究です。

  • 生殖制御
  • 開花
  • 交配の省力化
  • 化合物
  • 育種加速

THEME 02

植物ホルモンシグナルの精密制御

植物は環境情報を感知し、植物ホルモンを介して全身へ伝達することで応答を起こします。一方で、多様なホルモンがどのように作用するかを受容体レベルで詳細に解析することは容易ではありません。私たちはBump–Hole法(凸凹法)により、改変型受容体とそれに結合するリガンドを設計し、天然型ペアとは独立にシグナル伝達を誘起する人工ペアを構築しました。これによりホルモン作用を精密に制御する新技術の開発を進めています。

  • 植物ホルモン
  • 受容体
  • Bump–Hole(凸凹法)
  • リガンド設計
  • シグナル伝達

THEME 03

葉緑体が取り壊される仕組みの解明と制御

光合成を担う葉緑体は、環境適応のために積極的に分解されることがあります。私たちはオートファジーが関与する葉緑体分解に、葉緑体の一部を運ぶ「部分分解経路」と、損傷葉緑体を除去する「全分解経路(クロロファジー)」の2種があることを見出しました。さらに、葉緑体の認識や輸送など未解明な機構を、植物科学・細胞生物学・ケミカルバイオロジーを統合して解明し、将来的には収量・品質改善へつながる制御技術の可能性も探ります。

  • 葉緑体
  • オートファジー
  • 部分分解
  • クロロファジー
  • 収量・品質